境浦ファミリーの常設アンテナ


小笠原 父島の民宿 境浦ファミリーにアンテナを常設しました(その2)


 2009年のゴールデンウィークにJD1BLY(JI5RPT) 小柳さんと私(JD1BLK/JM1LJS)で、アンテナを常設してきました。正確に言えば、常設されているアンテナを新しい物に交換してきたのですが、後発のJD1BMH(JG7PSJ) 川野部さんとJD1BMT(JE4SMQ) 三谷さんが到着するまでの間にアンテナ交換は完了。いつものように、JD1BLY 小柳さんが大活躍でした。

 境浦ファミリーは、ここ数年ハムのメッカとして周知されてきました。境浦ファミリーには、アマチュアの運用に適したJA,Eu方向に見晴らしのよい高台に空き地とプレハブがあり、その空き地は民宿から300m程離れたところに位置し、周辺に民家が全く無い為、インターフェアは皆無です。また、民宿オーナーの遠藤さんは、アマチュアの運用を快く迎えてくれます。この空き地とプレハブは、境浦ファミリーにとって実質的にレンタルシャック風の扱いがされており、民宿の予約の際にプレハブからの運用を申し入れれば、どなたでも利用できます。

 また、境浦ファミリーは2007年上旬にJARL QRP ClubのJD1AHC(JA1BVA) 齋藤さんがCQ誌にご紹介されてから人気急上昇中で、JA本土のアマチュアが毎月のように訪れ、ミニペディが行われています。


今回は、下の ミニマルチ HX52Z 14/18/21/24/28M用 2ele を常設。以前使っていたHX52Aのハイパワー仕様です。アウトプットパワーはリニアをするオペのリミッターで決まりますので、帯電力:1kW-pep のHX52Aだとギリギリだったのですが、帯電力:3kW-pep のHX52Zなら、1kW DCでも安心です。でもバランは帯電力:2kW-pepです。変なことやってバランを焼いたら請求書を送ってやるから、理性を持って運用するように。

  JD1BLY 小柳さんのパワーには圧倒されてしまいました。アンテナは2エレですが、重さは4エレ。しかもハイパワー仕様ですので、一人でタワーの上で扱うのはそうとうに辛いわけです。顔つきが真顔になっていたので、かなりきつかったのだろうと思います。

私は、タワーの下からサポート。えっ、「なにもしてないだろ!」って、細かいことは気にするな。40オヤジに出来ることと出来ないこと位わかるだろ。

プレハブの上のルーフタワー 元気です!


 以下のルーフタワーは、ルーフタワー+ローターだけが用意してあり、ご利用される方の持ち込みアンテナを建てられるようにしてあります。屋根の強度と言うより、プレハブ自体の強度が無いので、台風を考えるとアンテナの常設は難しいです。


変更無しです。このルーフタワーは元気です。

ステーもしっかりしていました。今後も継続です。

2009年ゴールデンウィーク以後の常設アンテナ



2009年ゴールデンウィーク以後の常設アンテナです。アンテナを取り替えても、写真はほとんど変わらない。そりゃ、HX52AをHX52Zに交換しただけだから、写真に差が出るわけもないでのですが。今後は、上:ミニマルチ HB065DXC 6m用 5ele, 下:ミニマルチ HX52Z 14/18/21/24/28M用 2ele.共に1kW DCでランニング可のローター付きです。


JD1BLY 小柳さんが撮影。タワーの上からJA,Eu方向を見る。
このロケーションで飛ばないわけがないでしょう。

 従いまして、2009年5月現在、このコン柱アンテナ群で、14/18/21/24/28/50MHzでビームアンテナ+ローターを使用した運用が可能です。また、プレハブの上のルーフタワーは、ローター付きですので、持参したアンテナを上げれば、コン柱のアンテナ群と共にビームアンテナを使用した2波同時運用が可能になります。

 プレハブの上のルーフタワーには自由にアンテナを仮設することが出来ますが、載せられるアンテナは、14/21/28Mの4エレトライバンダー位が限界でしょう。やる気になれば、7/10Mのロータリーダイポール程度までは載せられますが、この場合、プレハブの周りの立木が邪魔をして、ローターでアンテナを回せなくなるでしょう。

 プレハブの上のルーフタワーに設置したアンテナは、運用終了後に必ず降ろして下さい。プレハブの上のルーフタワーにアンテナを常設しないのは、台風時の被害を避ける為です。最近は、境浦ファミリーに頻繁にアマチュアが訪れていますので、もしかしたらリレー運用(先発グループが建てたアンテナを後発グループが使用してからアンテナを撤収する。)をご計画されるグループがいらっしゃるかも知れません。その際は、後発グループは運用終了後に必ずアンテナを撤収して下さい。特に6月〜10月までは、小笠原を台風が通過する恐れがあります。その際アンテナが建ったままですと、アンテナはともかく、プレハブが致命的ダメージを受ける恐れがあります。これだけは、十分にご認識下さるようお願い致します。

 境浦ファミリーのアンテナ設備はレンタルシャック風であって、レンタルシャックではありません。従いまして、使用料は無料です。常設されたアンテナは、経年変化によっては調子が悪くなることがあるかも知れませんが、もしそのような状況に遭遇された際は、その際の責任は誰にも無いことをご理解下さい。あくまでレンタルシャック風であって、海外にあるような有料のレンタルシャックではありません。

境浦ファミリーからの運用に際して


 境浦ファミリーにはお貸しできるリグは用意されていません。(これは、ご存じの通り、日本の電波法では、リグを貸し出すことが出来ないからです。)運用を行う際は、リグ,アンテナチューナー,電源等は必ずご持参下さい。特に、HF〜50MHzまで使用できるアンテナチューナーは必ず準備して下さい。コン柱のアンテナ群は、スタック間隔が1.2mしか取れていません。相互のアンテナの干渉が若干有り、6mはVSWRは高いところで2程度になります。アンテナチューナーを併用しませんと、リグのプロテクトがかかり、フルパワーが出せなくなる恐れがあります。

 2009年5月に設置したHX52ZのVSWRは良好です。以前問題となっていた立木の干渉によるVSWRの悪化は、タワー周辺の立木を切ってしまいましたので影響は無くなっています。(また伸びてくるかも知れませんが、現状は大丈夫です。)

 境浦ファミリーのプレハブには、6ヶ口のACケーブルタップ(1500W)とJARL QRP CLUBのメンバーが寄付されたDAIWAの13.8V 30Aのトランス式電源が1台用意されています。但し、13.8V 30Aのトランス式電源は、HF運用時の6mの待ち受け用リグに使う等、あくまで予備電源として活用することを前提に持参する無線機器をご検討下さい。運用の100%をこの電源に頼りますと、もしこれが壊れた場合、QRTせざろう得なくなってしまいます。


これは古い写真を使っています。プレハブ内にはりローターコントローラー2台とDAIWAの13.8V 30Aのトランス式電源が1台,ケーブルタップ等があります。昔は、使う度にローターケーブルをローターコントローラーにネジ止めしていたのですが、2007年5月以後、ローターケーブルをローターコントローラーに接続したまま机の上に置くようにしました。また、写真の黒いICOM製のスイッチング電源は一度紛失して2009年5月に出てきましたが、もうボロボロでしたので持ち帰ってきました。現在は、DAIWAの13.8V 30Aのトランス式電源1台が置いてあります。

AC電源は、100V 30Aです


 電源容量は、以前の15Aから30Aに変更になっています。

 プレハブ内のコンセントから大出力の無線機器の電源を取ると、電圧降下で送信する度に蛍光灯が暗くなります。大出力(大電流)の13.8V30Aの安定化電源や、VL−1000の電源は、プレハブの外のブレーカーの下のコンセントから取って下さい。ACの延長ケーブルも用意してあります。

プレハブのドアを正面に見て、左側の壁の目の高さより少し上に、プレハブのブレーカーがあります。

その位置から下を見ると、ACコンセントがあります。13.8V 30Aの安定化電源や、VL-1000の電源は、このコンセントから取ると、電圧降下も少なく安定します。

 2009年のゴールデンウィークに運用した際に気づいたのですが、RTTYで運用をすると(出力400W位)、VL−1000が頻繁にプロテクトがかかります。SSB,CWは1kWでもほとんどプロテクトはかからないのですが、RTTYはダメですね。このプロテクトは、RTTYで送信を始してしばらくすると頻繁に症状が出ます。リニアが暖まってきたら出るという解釈をしていますが、プロテクトのアラームの表示は、”アンプユニットのバランスが悪いです。”というものです。そのバランスが悪いとアラームが出た状態で、CWでキーダウンをすると、ちゃんと出力1.2kWまで引っ張れますし、プロテクトもかからないのですが、RTTYは出力400Wでもプロテクトが連発します。以前は問題が無かったらしい(気づいていないかも知れない。)ので、だんだんVL−1000が劣化してきているのかも知れません。

 RTTYやPSK31を運用する際は、どうしようもない時はベアフットで運用するしか手がありません。

JD1YBO 小笠原ファミリーDXクラブ



 境浦ファミリーに現状のレンタルシャック風の石杖を築いた小笠原ファミリーDXクラブ JD1YBOをご紹介します。JD1YBO(代表:JD1BKQ 木村さん)は、以前より境浦ファミリーから運用されていた方々と共に2002年3月に小笠原ファミリーDXクラブ JD1YBOを創設。プレハブの上にルーフタワーを常設し、境浦ファミリーから運用される方は、JD1YBOが用意したミニマルチのHX52A(14/18/21/24/28Mの2エレ)をルーフタワーに載せるだけでビームアンテナを使用した快適なオペレートが行える体制を構築しました。

 そして、JD1YBOのメンバーは、DXミーティング等で積極的に境浦ファミリーのアンテナシステムをご紹介。多くのアマチュアが境浦ファミリーを訪れるようになりました。その頃、私(JD1BLK/JM1LJS)もJD1BKQ 木村さんにご指導に頂き、JD1BLKの局免を取得。現在に至っています。

 しかし、その後しばらくしてJD1BKQ 木村さんは台湾に長期出張(BW3/JD1BKQでアクティブなのでご存じの方も多いかと思います。)となってしまい、一方、境浦ファミリーのアンテナシステムは訪れた方々で有効に活用する日々が続いていました。JD1BKQ 木村さんは日本勤務に戻りましたので、また、BW3が付かないJD1BKQのコールが聞こえてくる日も近いでしょう。

 JD1BLY/JI5RPT 小柳さんと私(JD1BLK/JM1LJS)も、JD1YBOのメンバーです。今後とも宜しくお願い致します。

境浦ファミリーからの運用に際して


 最近多くのアマチュアがファミリーを訪れ、ブッキングも発生しています。境浦ファミリーに予約を入れる際は、必ず、「アマチュア無線をやります。プレハブを使わせて下さい。」とお伝え下さい。なにも言わずに境浦ファミリーに行かれますと、既に他の方が運用していた場合、運用が出来なくなる恐れがあります。ハムのメッカとして周知されているということは、300万人のアマチュアの何方かが同日に予約を入れている可能性も十分にあるわけです。

 境浦ファミリーのホームページは以下です。ご予約される際は、電話で確認を取られた方が良いでしょう。

「境浦ファミリー」のホームページ

終わりに


 境浦ファミリーのアンテナは、JARL QRP Club,JA7YAA,そしてJD1YBOの皆さんの部材のご提供,ご協力により成り立っています。小笠原は直ぐに行けるところでもありませんし、なかなか完璧を求めるのは難しいことでもありますが、常設したアンテナ群を有効にお使い頂ければ幸いです。